ボルケーノハウスの歴史を垣間見る

2016.04.05

火山国立公園の中にあるボルケーノハウスは、 キラウエア火山の噴火口を部屋から眺められるというホテル。実はここ、ハワイで一番歴史あるホテルでもあり、その誕生は1846年にさかのぼります。

19世紀前半、キラウエア火山はすでに西洋人に人気の観光地でした。しかし自動車どころか舗装された道路もない時代。今では車で45分のヒロからですら、馬の背に揺られて三日がかりの旅をしなければなりませんでした。そんな旅行者たちのために、噴火するクレーターを眺められる場所に作られたのが、このホテルだったのです。最初は山小屋感覚の、一室だけの草葺の小屋だったそうです。

火山人気は留まることなく、1866年には、この宿は客室4つの木造建築にグレードアップ。その後、交通の便が整うに連れて観光客が増えると、それに合わせてホテルも拡大していきます。130年の歴史の中で増築、火災全焼後の建て替え、改装などが繰り返されました。

このボルケーノハウスの歴史を身近に感じることができる場所が国立公園内にあります。ビジターセンターのお隣にあるボルケーノ・アートセンターがそこ。 赤いペイントで平屋造りのこの建物は、1880年代までは実はボルケーノハウスだったのです。ホテルの改築に伴い、この旧建物は現在の場所に移築され、その後1974年からは、地元アーティストたちの作品を扱うギャラリーショップとして一般公開されています。 誰でもこの歴史的建築物に足を踏み入れることができるというわけです。作品が 展示されている室内をよく観察してみると、なるほど、正面の部屋は大きな暖炉があるロビー兼ラウンジ、それに連なるいくつかの部屋はもと客室だったことが見て取れます。

ボルケーノ国立公園は今年で創立100周年。 自然の雄大さに加えてこんな歴史にも触れられるのも、楽しいところです。

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